2015年6月5日金曜日

複素数平面が、円の2つの接線の交点問題を簡単にする




複素数平面が、円の2つの点の接線の交点を求める問題を簡潔明瞭にする。

【問1】
 複素数平面上の原点Oを中心にする半径1の円に対して、
その円上の点zから引いた接線と、
点zから引いた接線の交点Pの位置ベクトルを複素数であらわせ。

(解答開始)
(ベクトルOPとベクトルOMが平行である)
(注)上の式は、図から得た。解答後の補足2で、この式を以下の式(接点の式)から導く。

(接点の式)

pの値の計算:
(解答おわり)

(補足1)
 この逆に、zとzをpであらわす式は以下の式になる。

(補足2)ベクトルOPとベクトルOMが平行である式:
は、以下の様にして、上の接点の式から導ける。
ここで、ベクトルとベクトルの長さが等しいので、ベクトル(z-z)は、ベクトル(z+z)に垂直である。
上の内積の式は、ベクトル(z+z)に垂直なベクトルにベクトルpが垂直であることをあらわしている。
ゆえに、ベクトルOP=pはベクトルOM=(z+z)/2に平行であって、
が成り立つ。

(補足3) 
  pをzとzであらわす式は、以下の式であらわせるが、

この式は、分母の複素数を実数化した以下の式に変換できる。

pの、この形の式は、XY座標系で計算した、点とzでの接線の交点Pの解と同じ形の式である。
 分母の実数化は、もう1つできる(こちらの方が考え易い)。
 以上の2つは、同じpの分母を実数化する2つの解をあらわしている。そのため、pの解は、以下の2つのあらわし方がある。
 この2つの表し方が等しいことを証明するのは簡単では無かったが、複素数平面を使うと、上の2つの計算によって、両者が等しいことが証明できる。
 また、この2つの式は、複素数の偏角αを使って、以下の1つの式であらわすことができる。

(補足4)
 この問題は、上図のように複素数平面を使って、簡潔明瞭にあらわせます。
 2接線の交点Pの位置座標は、2接点の中点Mの位置によって定まる。
 しかも、その中点Mの位置ベクトルmと交点Pの位置ベクトルpは平行である。
 このように複素数平面であらわして考えると、2接線の交点を求める問題を、2接点の中点Mを求める簡単な問題に変換できます。

【問2】
 複素数平面上の原点Oを中心にする虚軸方向の直径を2とし実軸方向の直径を2aとする楕円に対して、
その楕円上の点zから引いた接線と、
点zから引いた接線の交点P0の位置ベクトルを複素数であらわせ。


この問2の解答は、ここをクリックした先にあります。

リンク:
円の極の座標の解の変換
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