2017年8月31日木曜日

双曲線の二接線の交点を求める

【問1】
 双曲線(x-y=1)に対して、
接点a(a,a)から引いた接線と接点b(b,b)から引いた接線の交点p(p,p)を求めよ。
(参考)接点aと接点bから引いた2つの接線の交点pを、双曲線の極線abに対する極と呼びます。

【解答】
双曲線の式を、以下の式1のf(x,y)=0であらわす。
接点aとbとに、以下の式2と3が成り立つ。
双曲線の接線の公式により、接点aとbとの2つの接線は、以下の式4と5であらわせる。
式4と5を連立させて、2つの接線の交点p(p,p)=(x,y)を求める。
この接点の式を、以下の、双曲線の2点の座標の公式を使って更に変形する。
<双曲線の2点の座標の公式>
「この式10の左右の項が互いに置き換えられる」
ということが、
双曲線の2点の座標の公式です。

式6を変形する。
この式11に、公式10を代入する。
次に、式7を変形する。
この式13に公式10を代入する。
式12と式14をまとめる。
(解答おわり)

(補足)
 式15は、2つの接線の交点pの位置ベクトルは、点aと点bの中点mの位置ベクトルに平行であることを示している。
また、式15は、点aと点bの中点mの位置が双曲線に近づけば、点pが中点mに近づくことを示している。

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2017年8月27日日曜日

ベクトル方程式で円の二接線の交点を求める

【問1】
 座標原点を中心にする半径1の円(x+y=1)に対して、
接点B(b,bから引いた接線と、接点C(c,cから引いた接線の交点A(a,aをあらわすベクトルを求めよ。
(参考)点BとCから引いた円の接線の交点Aを、直線BCに対する円の極と呼びます。

【解答】
線分OAの長さをaとする。


点BとCの中点をEとする。
2角が等しいため、△ABO∽△BEO
∴OA/OB=OB/OE
a/1=1/OE
OE= 1/a
すなわち、ベクトルOEの長さは1/aで、OAの長さはaである。
そして、ベクトルOAはベクトルOEに平行なので、ベクトルOAは以下の式で計算できる。
(解答おわり)

(別解)
長さgのベクトルEB=βはベクトルOEに垂直である。
そのベクトルEBを90度回転したベクトルαはベクトルOEに平行なベクトルである。
以下では、そのベクトルαを使って、ベクトルOAをあらわす式を計算する。
(解答おわり)

(補足)
 ベクトルOAをあらわす解答の式は、式5と式7との、異なる2つの形の式であらわされた。
 この2つの形の異なる式は、同じ値をあらわし、両者とも、これ以上単純な式であらわすことができない同等な解である。
 この解は、ここをクリックした先のページで、複素数平面の助けを借りて統一された1つの単純な形で表現できる。

 また、この式5の形の解は、xy座標系であらわした接線の式の連立方程式の解では容易には導けない(連立方程式を解くと、通常は、式7の形の解が導かれる)という特徴がある。
 この式5は、以下のベクトルの公式を使うことで、式7に変換できる。
<大きさが同じベクトルbとcの要素の計算の公式>
 この式4の公式を使って、式5であらわしたベクトルOAの1つの成分を変換する。
こうして、式7であらわしたベクトルOAの成分が得られた。
式5であらわしたベクトルOAの残りの成分についても同様に計算すれば、式7であらわしたベクトルOAの成分が得られる。

 また、三角関数を使うと、この2つの式は以下の式に単純化される。

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2017年8月25日金曜日

困った時に使う部分積分法

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「微分・積分」の勉強

(6)積分の知識:
 「部分積分法」
ここをクリックした先のページのpdfの110ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、部分積分法が書いてあります。

3.3 部分積分法(integration by parts)
置換積分法を用いて.かなりの積分が求められるようになりました.しかし,置換積分法でも手に負えないものがあります.

 ではどうすればいいのでしょうか.そこで,置換積分を用いても不定積分が求められないとき,最後の手段として用いるものに,部分積分法(integration by parts) があります.


定理3.5 (部分積分法)

f(x), g(x) が連続であるとき,次の式が成り立つ.
この式1が部分積分法の公式です。
この式1は、以下の式2の形にして使うことができます。

【例題】
 この積分を計算します。
(解答はじめ)
先ず、以下の媒介変数 f を導入します。
式2の部分積分の計算をします。
 こうして、積分ができました。
(解答おわり)

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2017年8月18日金曜日

高校2年生も覚えるべき置換積分法

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「微分・積分」の勉強

(6)積分の知識:
 「置換積分法」

「微分積分学入門」(著者:横田 壽)の108ページ近くに、置換積分法が書いてあります。
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載していたWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

3.2 置換積分法(integration by substitution)
不定積分∫f(x)dx を求めるときに,

f(x)dx の x を媒介変数 t の関数g(t) に置き換えることにより,
f(x)dx を f(g(t))g’(t)dt という,積分し易い形に変形することを置換積分法(integration by substitution) と いいます.

定理3.4 (置換積分法)
f(x) が連続であるとき,

x = g(t) とおくと,g(t) が微分可能であれば,

が成り立つ.


(証明開始)
(1)先ず、xを媒介変数 t の関数g(t)で表す。
xはtが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、x=g(t)をtで微分する。
x=g(t)がtで微分可能((Δx/Δt)の極限が有限の値になる)なら、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
ただし、xで積分するxの積分範囲がg(a)からg(b)までの場合に、
tで積分するtの積分範囲は、aからbまでにする。
(証明おわり)

(置換積分の例題)
下図の関数の積分を考えます。
この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算することができます。
=2
です。
この変数変換をすると、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
そのため、積分が簡単になり、
積分結果が2になりました。
(例題おわり)

(補足)
この関数の積分は、A点からC点までの範囲までならばリーマン積分が可能です。
その積分可能範囲は、C点をB点に近付けた場合の積分結果の極限値をB点までの積分値であると、積分可能範囲の定義を拡張できます。

 一方で、この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算できました。
この変数変換をすることで、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
上図の積分の場合、A点からB点までの範囲での関数の値が有限値なので、リーマン積分が可能です。
この変数tに変換した積分のA点からB点までの積分可能範囲が、変数xでの積分の、拡張した積分可能範囲と一致しました。

 また、もう1つ注目すべき点は、
(1)xで積分する元の被積分関数は、x=0で微分不能、かつ、関数の値が存在しない関数でしたが、
(2)置換積分で変換した結果の、tで積分する被積分関数は、t=0での値が有限で値が存在する関数に変わりました。

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2017年8月17日木曜日

微分積分はどうすれば勉強できるか(2)

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https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因を考えます。
 脱落する原因は、微分積分には歴史的に説明のあいまいさがある事、そして、日本の高校の微分積分の教育では、そのあいまいさを更にあいまいにして、異なる事を同じことだと言って説明を単純化したり、証明が難しい事は証明しないで、それが証明されたと感覚的に感じるようごまかして教え、その説明のおかしさに生徒が気付かないよう生徒の数学感覚を麻痺させるよう誘導している事が、脱落の原因だと思います。また、そのように数学感覚が麻痺したまま大学に入ると、大学で学ぶ正しい微分積分が全く理解できなくなります。
 ごまかしのある説明をするように指示された先生は、説明にごまかしがある事を知っています。そして、その説明を論理的に詳しく説明すると、ごまかしが白日の下にさらされるので、説明の論理性を追求する事を嫌います。そのため、ごまかしを教える先生は、生徒に徹底した説明ができず、説明する事自体を避ける事になります。
 生徒に微分積分を完全に理解できる必須な公式を全部教えると、それも、ごまかしを白日の下にさらす種になるので、必須公式を全部教える事も避けられていると考えます。

 公式を生徒に覚えさせるときに、間違ってはいるが覚えやすい事を生徒に覚えさせる事が、微分積分を生徒にやさしく覚えられるようにした親切な教育である、といった誤解があるから、教わる高校生が混乱することが原因で生徒が脱落するのではないかと考えます。
 ごまかしがある説明は、どう説明しても、論理的には筋が通りません。論理的には理解され得ない事ですので、数学センスのある学生には受け入れられず、それ以上一歩も前に進めなくなると思われます。 

 数学センスのある学生が学習を一歩も前に進めることができなくなることが無い、安心して微分積分の勉強を進めることができる、ごまかしの無い本は、高校生用の教科書や参考書なのでは無く、大学1年生向けの参考書:例えば:「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円 などだと思います。その本は、微分積分を初めて学ぶ高校2年生にとって、内容がわかり易くて、しかも正確であって良いと思います。その本の36ページから45ページまで勉強するだけで、微分の必須知識が学べます。

 なお、その本から学んだ本物の微分積分の知識は、高校の微分積分の教義から見れば異端の知識です。そのため、それを知っていることを隠してください。
 ガリレオ・ガリレイが「太陽が地球の周りを回っているのでは無く、地球の方が動いている」と言ったときにどのような目にあったかの歴史を学んでください。
 くれぐれも、授業中に、先生や生徒が間違った微分積分の計算をしたときに、その誤りを指摘したりしないように、慎重に、周りの空気を読んで行動してください。ただし、その誤りは、大学入学試験には通用しませんが、、、

 当ブログでは、数学センスのある学生にも微分積分がわかるように、ごまかしの無い微分積分の解説をするようにします。

 高校では、定積分を以下のように教えています。
【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】
(1)微分したらf(x)になる関数F(x)を見つけること。
この関数F(x)を原始関数と呼ぶ。
この原始関数を使って、以下の計算で定積分する。

【問題点】
 数学センスを持つ人が知っている以下の常識があります。
「何かAが存在するならば、それで何かBができる」という定理であって、
その存在する「何かA」の集合がどういうものであるかが示せない、
言い換えると、その定理がいつ使えて、いつ使えないかを示せない、
という定理には、定理としての価値が無い』と言う常識です。
 なぜなら、その定理(命題)を等価な命題である「対偶」に言い換えると、
『何かBができないならば、何かAが存在しない。何かBができた場合は、何かAが存在するかしないかは分からない』
となります。この命題は、何かBができるための前提条件を教えてはいません。そのため、この命題は「何かB」の本質を教える情報は含んでいないし、また、「何かA」の本質を教える情報も含んでいません。定理の要素がおぼろげながら見えてきた段階で、その要素の関係をしっかり調べた定理にはせずに、とりあえず「定理」にした未完成な形の定理になっています。
 この様な表現の他の例として、例えば以下の「定理」:
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。このとき、F(x)の微分がf(x)となる関数F(x)が存在するならば、その関数F(x)がf(x)の積分である」
という「定理」には価値が無い。
f(x)=1の場合
F(x)=xとなり、たしかにこの「定理」が成り立っている。
f(x)=xの場合、
F(x)=xとなり、
F’(x)=2x≠f(x)なので、この定理が規定する存在条件を満足する関数F(x)が無い。
よって、この場合も、この定理には矛盾がない。

 しかし、この論理には大きな欠陥があります。
「言っていることが成り立つ場合に、その定理が使える」
という条件を加えた定理は、いつだって成り立ちます。なぜならば、成り立たない場合は、その定理の適用範囲外だと規定しているからです。
 この「定理」は、いつ使えるかを明確化した定理に書き換えることができ、その書き換えた定理は:
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。関数f(x)が定数である場合に限り、その関数F(x)がf(x)の積分である」
というように、内容を明確化して書き換えることができます。
 このように、いつ使えるかを明確化してみると、元の「定理」は、いつ使えて、いつ使えないかを定義せずあいまいにしている「ごまかし」があっただけとわかります。定理は、このように明確化しなければなりません。
 そのため、いつ使えて、いつ使えないかを定義していない定理は、
解くべき問題(いつ使えて、いつ使えないかという問題)を解かずに、
問題をあいまいにしている「ごまかし」があるので、
定理としての価値がありません。

【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】では、原始関数F(x)が存在すれば、という適用除外条件があり、しかも、その適用が除外されない、存在するF(x)とはいかなるものかということが定義されていないので、無価値な定義です。
 原始関数の正しい定義は、以下のように定義できます。
【原始関数の正しい定義】
 微分不可能な点がある関数F(x)もあります。その微分不可能な点では、その関数F(x)は原始関数ではありません。
 ただし、変数xの定義域から、微分不可能な点の変数xの値を除外した定義域では、その関数F(x)が原始関数になります。
(原始関数の定義)
 関数F(x)を変数xの値で、微分係数を計算した場合に有限な値の微分係数f(x)が得られ(微分可能であり)、
その微分係数f(x)が変数xのある範囲で有限な値であった場合、
関数F(x)を、その変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数と呼び、
関数f(x)を関数F(x)の導関数と呼びます。
(注意)その変数xの範囲が、ただ1つの変数値x0 しか無かった場合でも、関数f(x0)を関数F(x)の、その値の変数値x0 に係る導関数と呼びます。ただし、その変数値x0 が1つだけだった場合でも、その変数値x0 で関数f(x0)が計算できるために、関数F(x)は、その変数値x0 に無限に近い、その値とは異なる変数値xにおいて関数値F(x)が存在し無ければなりません。」
(そのように、その1つの変数値x0 に無限に近い、その値とは異なる変数値xにおいても関数値F(x)が存在して、しかも、その変数値x0 において有限の値の関数値f(x0)が計算できるために、その値の変数値x0 において関数F(x)は連続でなければなりません。)

【原始関数の作り方】
 以下の式で定積分(定積分とは何かは後で説明します)をあらわすことができる関数F(x)を求める計算を積分と呼ぶ。

ここで得た関数F(x)を不定積分と呼ぶ。
この関数F(x)が、変数xのある範囲で微分できた(微分可能な)場合に、すなわち、
が成り立つ場合に、
F(x)は、先の原始関数の定義に従って、
xのその範囲に係わるf(x)の原始関数です。
(定義おわり)

【微分積分を学ぶとき注意すべき点】
 また、微分を理解するためには、以下の事も整理して学ぶ必要があると考えます。
変数xで表される2つの関数があって、
変数xのある値xにおける、2つの関数のxによる微分係数が、以下の式であらわされて等しい場合に:
この関数を他の変数tで微分した場合に、
が成り立つと普通は考えますが、それが成り立たない場合もあります。
それが成り立つ場合と成り立たない場合を区別する条件は、「合成関数の微分の公式」を学ぶことで理解されますが、それが高校生には教えられていません。
 変数xを変数t≡(x-1)に置き換えて、その変数で微分してみるといった変数変換は頻繁に行われます。その変数変換の中にはやってはいけない変数変換があると言われたら一歩も計算を進めることができなくなります。
 その「やって良い変数変換」とは何なのかが分かるようになるまでしっかり勉強して下さい。
高校教科書ではそれは教えていません。
微分積分の勉強は、高校教科書からでは無く、自分で良い微分積分の参考書(大学1年生向けの参考書が良い)を探して、勉強するようにしてください。
 例えば、「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円 が、内容がわかり易くて良いと思います。
その36ページから45ページまで勉強すれば、「合成関数の微分の公式」まで勉強でき、「やって良い変数変換」が何なのかが分かるまでの勉強ができると思います。

[室蘭工業大学 山口 格] “論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。

 現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。


 1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 
 このような、数学センスに反する無価値な情報をおぼえることを強制された場合、それを覚えることを拒否して良いと考えます。
 一つの選択としては、理系に進むのを止めて文系に進むことがあります。
 しかし、数学が好きな学生には、それはできない、と考えます。
その学生のために、以下の様に微分積分を学ぶことを推薦します。

(微分積分の学び方)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直感にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 微分については、大学生向けの参考書の
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載していたWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) ¥2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、
66ページ以降の2章「微分法」をお勧めします。
読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義でき るか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------ 


「微分積分学入門」(横田 壽)は、積分の説明もわかり易いのでお勧めですが、先ずは124ページのリーマン積分を読んでから、次に、その前のページに書かれている積分の説明を読んで欲しい。
(積分の計算の基本) 以下のグラフのように、面積を分割して、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「定積分」です。
 この計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その閉区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分可能な例1)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
-1≦x≦3
の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点を中間に持つ区間でも積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の関数F(x)を求めることができます。
この関数F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点では、微分係数が存在しないので、その点では微分できません。
この(dF(x)/dx)のグラフは、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なるグラフになるという特徴があります。
(関数f(x)の原始関数について)
変数xの、x≠0とx≠2の範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)であると言えます。

 この微分結果のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ関数F(x)が得られると考えます。
x=0の点とX=2の点の有無で異なる2つのグラフを積分したら、同じ関数F(x)が得られました。
そのため、関数f(x)に積分結果の関数F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数f(x)に1つの関数F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

 特に、積分では、被積分関数がある点で連続な連続関数である場合と、その関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる、その点では不連続な関数である)場合とが区別されずに、その範囲を積分した結果が同じ値に計算される。
(不連続な関数f(x)の積分と、その微分の
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続な関数とします。
(上図において、x=整数の不連続点のxの値に対して、そのxの値における極限の値をf(x)の値に置き換えてf(x)=1とすれば関数が、その点でも連続な連続関数になります。そういう不連続点のことを、「除去可能な不連続点」と呼びます。)
 この点で不連続な関数 f(x)のグラフを積分したら、
連続な関数 F(x)=xが得られます。
この連続関数F(x)=xを微分したら、
連続関数であるy=1が得られます。
(関数f(x)の原始関数について)
整数以外の変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)=xであると言えます。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 積分前の関数f(x)と、微分前の関数F(x)との、変数xの一部の定義域での微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f(x)は、除去可能な不連続点を除去した関数です。関数F(x)は、関数F(x)の不連続点を除いた変数xの範囲でf(x)の原始関数であるとともに、f(x)の原始関数でもあります)

 上図の、f(x)とF(x)の関数のセットの例:
以下で定義する関数のセットでは、f(x)にx=xで除去不可能な不連続点があって、積分した結果のF(x)がその不連続点の位置xでも変数xで微分可能で、F(x)を微分すると再び不連続点を持つf(x)が得られます。
(F(x)の定義)
x≠0の場合:
x=0の場合: F(0)=0,

(導関数f(x))
この関数F(x)はx≠0の場合も、x=0の場合も、微分可能で、
その導関数f(x)は、以下の式であらわせます。
x≠0の場合の微分:
になり、xが0に近づくとー1と1の間を振動します。
この導関数が含むcos(1/x)の関数が以下のグラフであらわす形の関数になるからです。
X=0の場合にも、F(x)は微分可能で:
というように、0になります。
そのため、この導関数f(x)は、x=0で連続ではありませんが、F(x)を微分することで得られます。
この導関数f(x)は積分可能であり、積分するとF(x)になります。

 このように、関数の不連続点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。

 この図には、関数F(x)が変数xの定義域内のある範囲内で微分可能の場合には、その微分結果の導関数f(x)が、その定義域で必ず積分可能になり、その積分結果がF(x)になるパターンがあります。そういう関数F(x)とf(x)だけに限って微分積分をするならば、難しい問題が生じず、計算が簡単になります。

 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、変数xの定義域内の所定の範囲内では、関数の極限が存在し、かつ、関数が連続な「連続関数」 を主に扱う対象にします。また、「微分可能性」で関数の変数xの定義域内の所定の範囲を制限して、微分積分を行う所定の範囲を制限します。その関数の集合において、その制限条件を満足する(変数xの)範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、変数xの所定の範囲内で、微分可能な関数F(x)と積分可能な関数f(x)を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。

《下図に各種の関数の集合の包含関係をまとめた》

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