2017年7月31日月曜日

微分可能の定義

https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。

 その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。

 先ず、微分とは何かを、微分可能のハッキリした定義を知ることで頭を整理しましょう。

関数f(x)であらわされるグラフの傾きは、以下のようにあらわされます。
この傾きは以下に説明する微分によって求めます。

---(定義2.1 「微分積分学入門」(横田 壽)67ページ---
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載していたWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) \2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

関数f(x) が、変数xのx0 を含むある区間で定義されているとき,極限値
(有限の傾きA)
が存在するならば,
関数f(x) は, x = x0 微分可能(differentiable) であるといいます.
また,この極限値A を点x0 における微分係数といい,

で表わします.
-----(定義おわり)---------------------------

(補足1)
 「微分可能」という言葉は、高校3年の数Ⅲで習いますが、高校2年で微分係数を学ぶ時に直ぐ学ぶ方が良いと考えます。
 なぜなら、微分と積分は、ある変数値で「微分可能」な関数と、ある変数値の近くで「積分可能」な関数を選んで、微分したり積分したりするからです。「微分可能」と「積分可能」という条件が例外的な場合を考えないで良い条件となっていて、その範囲内で考えることで、例外的な場合を考える労力を節約することができるからです。
 微分積分の種々の公式の前提条件として、「微分可能」と「積分可能」という条件の範囲内で考えているからです。
 そういう前提条件付きで話がされているということを理解して微分積分を学ぶべきだからです。それが教えられないと、微分と積分の話の本当の事情のカヤの外で説明を聞くことになり、微分積分の説明が理解できなくなるからです。

(接線の定義)
 連続なグラフ上に2点A,Bを取って、その2点をその間の1点のCに無限に近づけた時に、その2点A,Bを通る直線が1つの直線に収束する場合に、その直線を、そのグラフの、点Cにおける接線と呼びます。
(注意)グラフの不連続点においては、その点における接線は考え無いことにする。その不連続点に接する直線があるかもしれないが、その点における「接線」については考え無いことにする。
(接線の定義の言い換え)
(1) XY平面上のY=f(x)であらわすグラフの、X=X0となる1点Cにおいて、
微分係数f’(X0)が存在するとき、その点Cを通り、傾きf’(X0)を持つ直線が点Cにおける接線である。
(2) その微分係数f’(X0)が存在しない(無限大になる)場合に、
そのグラフを、YX平面上のX=g(Y)というグラフとみなした場合に、
そのグラフ上の1点C(X0,Y0)において、微分係数g’(Y0)が存在するとき(この場合は、g’(Y0)=0になると思うが)、その点Cを通り、YX平面での傾きdX/dY=g’(Y0)を持つ直線が点Cにおける接線である。
(3) 微分係数f’(X0)が存在せず、微分係数g’(Y0)も存在しない場合、その点Cにおける「接線」については考え無いことにする。その点Cでグラフに接する直線はあるかもしれないが、その点における「接線」は考え無いことにする。

(補足2)
「関数が x0 で微分可能(有限の値の確定した値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数が、その変数 x のその値 x0 に限って、その変数 x で微分可能であれば良く、その変数 x のその他の値での関数の微分可能性は関係しない」
という意味です。
 
 (補足3)
df/dx=∞
の場合は、傾きが有限で無いので、
変数xで微分可能ではありません。 
df/dx=無限大
という関係が存在しても、
「微分係数(df/dx)が存在しない」
とも言われ、微分不可能です。
それは、
x=0において、
関数f(x)=1/x
の値が無限大という関係が存在しても、
「x=0において関数値1/xが存在しない」
と言うのと同じ意味です。
 下図のグラフの関数は、x=0となるO点では傾きが無限大なのでx=0では変数xによる微分係数が存在せず、変数xで微分不可能です。
なお、このグラフは、O点でX=0という直線と接します。
それは、このグラフの座標(変数)を変換して、Y座標値を変数であるとみなし、グラフのX座標値を、関数値とみなせば、グラフの微分係数(dX/dY)=0は存在するので、変数Yによるその微分係数で接線X=0が定められるからです。
(このように、座標系を回転させる座標変換(変数変換の一種とも言える)によって角度を変えて見ると、ある変数Xでは微分不能であった点が、他の変数Yでは微分可能に変わることがあります)

 また、上のグラフは、x=0の点で変数xで微分不可能です。ところがx=0の点で滑らかにつながっています。
微分のごまかし説明で、「微分可能性の定義は、滑らかにグラフがつながる点が微分可能な点である」というごまかし説明が流布されていますが、その定義は間違いですので気をつけてください。
 また、Yを変数とした、グラフの、変数Yによる微分係数(dx/dY)は存在し、変数Yによっては微分可能ですが、それが微分可能であっても、変数xによる微分係数(dY/dx)が存在せず、変数xで微分不可能であることに変わりはありません。

(メモ知識)
以下の2つのグラフの関数は、いずれも、x→0の極限で、微分係数(dY/dX)が無限大に発散し、x=0では微分不可能です。

 
(メモおわり)

なお、
f(x) がx0 で微分可能でなくても、
h<0について、
 
または、
h>0について、
 
が存在することがあります.
下の図のような場合です。
その場合,
最初の値を左側微分係数(left-hand derivative ) と いい,
で表わし,
後の値を右側微分係数(right-hand derivative) といい,

で表わします.
微分可能の定義より,

 が共に存在し,かつ両者が等しいとき に限りf(x) はx = x0 で微分可能となります

(注意:関数の変数xの値毎に、関数が微分可能か可能でないかが定義されています。)

関数f(x)が変数xの値x0において微分可能の場合に、
関数f(x)が初等関数などの通常の関数の場合は、
Δyの誤差が以下の式であらわせます。
----ビッグオー O(Δx)の 定義--------
ここで、O(Δx)は、以下のように定義されます。

x=x0+Δxとする絶対値が十分小さいΔxに対して、
ある定数Mがあって、
|Δy-(df/dx)Δx| ≦ MΔxμ
が成り立つとき、 
|Δy-(df/dx)Δx|はオーダーμの無限小であると言い、
 Δy-(df/dx)Δx=OΔxμ)とあらわす。

つまり、OΔxは、MのΔx倍程度の誤差をあらわす誤差関数です。(ΔX=0の場合は、O(0)=0と定義する)
Δxが0に近づくと、誤差O(Δx)は、Δxよりも更に急速にMのΔx倍のオーダー(概算値)で0に近づくということをあらわしています。
----(定義おわり)---------------

 全ての関数について厳密に成り立つ関係としては:
関数f(x)が変数xのある値xにおいて微分可能であれば、Δxが小さくなればなる程、Δyの誤差が、MのΔx倍よりも急速に小さくなる誤差関数(スモールオー)で表した以下の式が成り立っています。
 スモールオー o(Δx)の定義は、上の極限の式であらわされ、Δxよりも急速に小さくなる誤差関数です。(ΔX=0の場合は、o(0)=0と定義する)

 Δxが小さくなればなる程、Δyの誤差o(Δx)が、MのΔx倍よりも急速に小さくなるので、Δxが十分小さいと考えれば、誤差が十分小さくなり、以下の近似式がいっそう正確に成り立つようになります。
 そのため、Δyを上の式であらわして微分を計算して良いです。

【微分不可能が微分可能に変わる例】
(注意1)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがある。
 下図のグラフの関数は、O点では傾きが無限大なのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
 この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換する、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。 
という関係があります。
 有限の微分係数が存在する(微分可能)という状態は、変数を変換すると変わることがあります。
 それは、微分する変数に応じる「微分可能」という条件が、
いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと似た意味を持つことを意味しています。

(注意2)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがあるもう1つの例を考える。
 下図のグラフの関数は、O点では、左側微分係数と右側微分係数が異なるのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換すると、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。

(注意3)関数の変数を変換すると、接する2つグラフが接さない2つのグラフに変換される例を考える。
 下の2つの関数のグラフは、O点で同じ微分係数=0を持ち、O点で接しています。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
(この関数のグラフは、t=0の点での微分係数が無限大になってしまい、t=0では微分可能ではありません)

この変数tで元の2つの関数をあらわすと以下の2つのグラフになります。
元の2つのグラフの変数xを変数tに変換した2つのグラフは、O点で変数tで微分すると異なる微分係数を持ち、O点で接さず交差しています。

 変数を変換すると、このように、互いに接する2つのグラフが、接触する点での微分係数が異なる2つのグラフに変わってしまうことがあることに気をつけましょう。
 すなわち、「2つの接するグラフが接点において等しい微分係数を持つ」ことが、グラフの座標変換によって変わってしまい2つのグラフの接触点での微分係数が等しく無くなることが有り得ます。

 その様なおかしな事が起こる場合は、変数のその値で微分可能では無い関数を使って変数を変換すると生じ得ます。おかしな事が起こらないようにする1つの十分条件として、変数変換に使う関数を、変数のその値で「微分可能」な関数を使えば、変数がその値の部分でのグラフにはおかしな事が起こりません
 「微分可能」は、このようにおかしな事が起こらないようにする十分条件なのです。これが、「微分可能」と「微分不可能」を区別する意味だと考えます。

 この「微分可能」によって、自然な直感で想像できる事がどのようにして生じ得るかの答えは、「合成関数の微分の公式」によって明らかにされますので、それまで地道に勉強を進めて欲しいと思います。

(交差している2つのグラフが、変数変換すると互いに接する2つのグラフに変わる例)
上図のように、変数tの関数f(t)とg(t)との2つの関数値をY=f(t)、及びY=g(t)とする。
f(t)=t
g(t)=t/2
とする。 この場合に、上図のように、2つのグラフが、tY座標平面上では互いに交差しているだけで、接していない。
 このグラフの変数tを以下のグラフの関数であらわす媒介変数xを考える。
変数tをこのグラフの関数であらわす媒介変数Xを使うと、
XY平面上で先の2つのグラフをあらわすと以下の図の様になる。
x≧0の場合に:
関数f(t)=x
関数g(t)=x/2
になる。
この様にXY座標平面上では、互いに接する2つのグラフに変換されてしまった。
 すなわち、接さずに単に交差しているだけの2つのグラフが、互い接するグラフに変わってしまった。

 tY座標平面上の2つのグラフがある変数値において接するか否かを調べている時に、そのように変わってしまわないようにするための、行なって良い変数tの媒介変数xへの変数変換は、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ 0
となることが必要です。
また、その関数が”微分可能”であることも必要で、すなわち、その2つのグラフが交差する点の位置の変数値において:
dt/dx ≠ ±∞
も必要です。

【導関数】
 関数f(x) が,ある区間 I の各点で微分可能(有限の傾きを持つ)のとき
f(x) は区間 I で微分可能(differentiable on I) であるといいます.
この場合,区間 I の各点にそこでの微分係数を対応させることにより定まる関数を
f(x) の導関数(derivative) といい,

であらわします。

また,関数f(x) の導関数を求めることを微分する(differentiate) といいます.

また、xの関数f(x)=yの微分(導関数)を、y’とも書きます。


例題2.4 f(x) = xn (n 整数) を微分してみましょう.
となります。
(解答おわり)
が得られました。

次に、以下の微分も計算してみます。
この図形を直線y=xに関して折り返して考えます。
こうして、
が得られました。

(微分の式の前提条件:関数が存在すること)
微分をあらわす式: 
(dy/dx)は関数f(x)の導関数をあらわす式です。
そのため、
(dy/dx)=(df(x)/dx)
であり、変数yを微分で使う場合には、
y=f(x)とあらわす関数f(x)が必ず存在することが、変数yを使う前提条件にあります。
関数f(x)が必ず存在するということは、変数xに対して、必ず1つの値のy=f(x)が定まる関係(規則)が、変わらず、存在するということです。
微分の式は、定まった関数であらわされる関係が必ず存在する変数yとxその他の媒介変数の間の関係をあらわす式です。
微分の計算で使う全ての変数yやxやその他の媒介変数同士は、必ず、その変数を他の変数であらわす不変な関数で結ばれていることが前提にあります。
その関数はどの式であっても良いですが、計算の途中で変化することが無い、いつも変わらない関係式であることが微分の計算の前提になっています。

(微分可能な関数を選んで微分すること)
 下図のグラフの関数はでこぼこしていて、でこぼこがあらゆる細部にまで在り、どの有理数のxの位置においても微分不可能な関数の例です。
 この図の関数のように、関数が微分不可能な変数の値を判定して、変数の範囲(定義域)から除外するために、「微分」の定義を使って関数の変数を選別して、その変数の範囲の関数を微分計算の対象にします。
 実際は、微分不可能な関数は、警戒しなければならないほどに多く存在するわけでは無く。数学で学んで来た、ほとんど大部分の初等関数は微分可能な関数です。

 また、上のグラフのよう微分不可能な変数(有理数)が無限にある関数であっても、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。こうして、極限が存在する関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載していたWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) \2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

【積分が不可能な関数】
下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その各小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2-x1)になります。
(3)小区間内の変数xの点ξの選び方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。

なお、以下の関数F(x)は微分可能ですが、それを微分して得た導関数f(x)に不連続点(微分不可能な点)があります。
x≠0の場合:
x=0の場合: F(0)=0,

この関数F(x)はx≠0の場合に微分可能で、
その導関数f(x)は:
になり、xが0に近づくとー1と1の間を振動します。
この導関数が含むcos(1/x)の関数が以下のグラフであらわす形の関数になるからです。
X=0の場合にも、F(x)は微分可能で:
というように、0になります。
そのため、この導関数f(x)は、x=0で値を持ちますが、x=0で不連続です。
なお、関数が変数xのある値で不連続ならば、必ずその点で微分不可能になります。これは、「関数が変数xのある値で微分可能ならば、必ずその点で連続である」と言う定理の対偶として成り立っています。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 このように、微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。

 その様に、「微分可能」の制限条件を定めて、その「制限条件」を外れた関数については”考えないこと”にするのが、「微分可能」を定義した本当の理由だと思います。その定義の影響を受けて、以下のグラフの関数については:

このグラフには、X=0の点に接する「接線」が存在しませんが、
その「存在しない」の本当の意味は、
X=0においては微分係数が存在しないので、X=0では「接線のことを考えないことにした」のです。
その影響を受けて、X=0で接する線については「接線では無い」と言われるようになったのだと思います。
 「接線が無い」のでは無く、「微分不可能な点では接線を考えないことにした」だけなのですが、、、

 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。 
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 
  現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。

 このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。

(微分積分の教育方針)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直感にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 大学生向けの参考書で以前は無料でダウンロードできた、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) \2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、2章「微分法」以降を精読することをお勧めします。読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

リンク: 
高校数学の目次

2017年7月29日土曜日

極限の定義

https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/06/blog-post_2.html
https://schoolhmath.blogspot.jp/2017/08/blog-post_17.html
 高校2年になり学ぶ「極限」は、微分の計算をする上で必要になった計算技術です。
 そのため、微分の計算を先にして、計算に困ったときに「極限」を学ぶという勉強スタイルでも良いと考えます。

そういう計算の役に立つように、頭を整理することが、極限を学ぶということです。  

以前は無料でダウンロードできた「微分積分学入門」(著者:横田 壽)の33ページ近くに、極限の定義が書いてあります。
(注:横田教授が芝浦工業大学を退官したため、この教科書を無料で掲載していたWebページが無くなりました。この本は書店で購入できます。

その他に、高校2年生が勉強するのに適切な、書店で購入できる微分積分の参考書は:
「やさしく学べる微分積分」(石村園子) \2000円
が内容がわかり易くて良いと思います。

【定義1.2 (直感的極限値) 】

 関数f(x) において, x をx0 に限りなく近づけていくとき,
f(x) がある定数l に限りなく近づくならば, l をx がx0 に近づくときのf(x) の極限値
(limit) といい,

で表わします.

  さて,ここで限りなく近づくというのはどういうことでしょうか.
x がx0 に限りなく近づくとは,
絶対値|x−x0| を限りなく小さくできるということと同じだと考えてもよいでしょう.
同様に, f(x) が定数 l に限りなく近づくということも
|f(x) − l | を限りなく小さくできることだと考えてもよいでしょう.

 そこで,限りなく小さくできるということで考えてみると,
どんな小さな正の数を比較の相手と選んでも,それよりも小さくできるならば,
限りなく小さくできるといえるのではないでしょうか.
 この考え方が数学でいうところの限りなく小さいということなのです(納得しましたか?).
 これを用いて関数の極限をもう一度定義します.
この定義はδ − ε 論法と呼ばれる証明法のもとになっていて,
この章の定理の証明に用いますが,
難しく感じる人は,直感的極限値で十分です.

【定義1.3】

任意の正の数ε に対して,
0 < |x − x0| < δ のとき,

|f(x) − l | < ε が成り立つように
正の数δ が選べるならば,
 
である。

この定義のポイントは、例えば、
x→0を、
0 < |x − 0| < δ
(すなわち、x ≠ 0 の場合に)
として、
例えば、
f(x)→0を、
|f(x) − 0 | < ε 
(すなわち、f(x) = 0 の場合を含む)
というふうに極限を定義していることです。
x→0でx ≠ 0の場合に、
f(x)→0 (f = 0も含む)となる場合を
f(x)の極限が存在する」
という極限の意味を明確にしていることです。
すなわち、
x→0 (x ≠ 0)と、
f→0 (f = 0も含む)は、
異なっていることを明確にしています。

(極限値が存在しない点が有限個ある関数)
 以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x<0で、x→0とすると、f(x)→0になり(左側極限値)、
x>0で、x→0とすると、f(x)→1になります(右側極限値)
左側極限値と右側極限値が一致しない場合は、極限値が存在しません。

(極限値が存在しない点が無限にあり積分できない関数の例) 
 例えば、xが有理数の場合のf(x)の値とxが無理数の場合のf(x)の値が1以上異なるような関数には極限が存在しません。
どの位置においても関数の極限値が存在しない関数は、例えば下のグラフの関数のようになります。

(極限値が存在しない点が無限にあるが積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。

リンク:
高校数学の目次