2015年4月11日土曜日

円周角の定理に係る複素数平面の公式




自分で問題を解く中で発見した、計算の近道になるパターンを自分だけの公式として覚えましょう。

(第1優先事項)
 複素数平面のグラフをあらわす方程式を変換する問題は、複素数の計算をせずに、図形の考察で答えを求めるようにしましょう。すなわち、複素数平面のグラフを表わす複素数の方程式同士を計算でつながないで図形の考察でつなげば何とか問題が解けますのでそれを第1優先にしましょう。

(優先順位の2位以下のこと)
 それよりは優先順位が低いことですが、以下のような、複素数平面の計算の公式の導き出し方を身に付けると、少し計算が推進されますので、以下の公式も、簡単に導き出せるようになればとても良いと思います。 

 複素数平面でベクトルの内積を計算する問題を解いていると以下の様な、繰り返される計算のパターンを発見することがあります。その計算のパターンを、自分だけの公式として整理して覚えましょう。 これは、自分だけの公式ですので、それぞれの計算問題の式の展開を解答用紙に記載する際に、その公式を知らない人に計算過程の正当性が理解されるために、その公式が導き出される式の展開過程を記載して見せるようにしてください。

 そのように、覚えている自分だけの公式の式の展開(言わば、公式の証明)をスラスラと解答用紙の式の計算の中に書いて見せると、一見、式の展開の計算がとても速く見えます。
 しかし、それは、覚えているパターンを繰り返しているだけで、決して人間離れしたわざを持っているというわけではありません。

【円周角の定理に係る複素数平面の公式】
 複素数平面での複素数の計算で複素数の2乗に相当する項を1乗の形の簡単な項に変換できる、以下の公式を見出しましたので、その計算過程を含めて覚えておきましょう。
(注意)
 この公式を無理して覚えないでも、円周角の定理やその他の図形の定理を覚えていれば、この公式無しでも、それらの定理を使って問題を解く事ができます。
複素数の式の展開の参考にする程度の気持ちでこのページを読めれば良いと考えます。

【第1の証明】
 この公式は、以下の様に計算を進める形で使います。
(証明おわり)

【第2の証明】
「三角形の高さと外接円の半径の関係」から:
上式の関係があります。
そのため、
|zα|=bc=2Rh
=2R*Im(z)
となり、証明すべき公式の左辺の複素数と右辺の複素数は、絶対値が等しい。
公式の複素数の偏角に関しては、
ベクトルzに対してベクトルαが成す角度は頂角Aであり、
その角度は、ベクトルrに対して虚軸が成す角度に等しい。
よって、証明すべき公式の左辺の複素数と右辺の複素数は、偏角も等しい。
ゆえに、公式が成り立つ。
(証明おわり)

 この公式(0)は、自分だけの公式であって、第1の証明か第2の証明をしてから使うようにしましょう。
 公式(0)は、この図の様な円の中心の位置をあらわす複素数rが分かっているときに、複素数zの式を簡単化する役に立ちます。 


 この公式の第1の証明の中心核となっている部分は、以下の計算公式です。この式を覚えましょう。

 この公式(0)から、以下の、ベクトルの内積の展開の公式(1)と、絶対値の式の計算の展開の公式(2)との2つの公式が得られます。

 これらの式(1)(2)は、正弦定理と円周角の定理にかかわる式であって、
「ベクトル計算での挫折を回避する方法 」のページで説明したように、
三角形ABCの外接円の半径をRとすると、円周角の定理が次の式1であらわされる。

cosA=m/R, (1)

この式1は、円周角の定理から素直に導き出した式であり、ベクトル計算で導こうとするととても苦労する式です。

また、ベクトル計算で導こうとすると更に苦労する式:
|AB||AC|=2Rh, (3)

 この式1と3を円周角の定理を表現した有名な公式として覚えて使うことで、通常は挫折するベクトル計算の挫折を回避することができる。複素数平面での計算においても、この公式を覚えて使うことで計算をスムーズに進めることができます。

(三角形の頂点から外心までのベクトルの複素数の公式)
 先の式(0)は、三角形の底辺が実軸と平行とは限らない自由な方向を向いている場合の式に書き舞えることができます。


この式は、以下の、ひし形の対角線と辺の複素数の公式によって変換することができます。

この式を使って変換すると以下の式になります。

この式は、三角形の頂点から外心までのベクトルの複素数の公式です。

リンク:
三角形の高さと外接円の半径の関係
複素数計算の公式を覚える
高校数学の目次

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