2011年12月18日日曜日

複素数平面(6)複素数平面での等角写像




佐藤の数学教科書「式と証明・複素数」編の勉強
第6講 複素数平面

【問】

複素数平面上の点Aのあらわす複素数をZと定義する。
その点Aを、
複素数w≡1/Z  (1)
であらわされる複素数平面上の点Cに写像する写像変換について考える。
特に、A点の位置が、
=1+i  (2)
のとき、
 (3)
である。
下図のようにA点から微小量移動した位置の点に関する以下の問に答えよ。

【問1】
A点から微小量移動する点の虚数座標がiのままで、実座標がA点から微小量Δ・u変化した点(Δは微小な実数、uは実数とする)について、その微小な変化量を
Δ(Z)≡Δ・u
とあらわすことにする。
そのようにA点から微小量ずれた点を式1で写像される点はC点から微小量ずれる。そのずれた点の複素数座標が複素数wから変化する微小な変化量を
Δ(w)
とあらわすことにする。
その微小量の近似式(微小量の極限では等式になる)を計算せよ。

(解答)



【問2】
Δ(w)のあらわす複素数平面上のベクトルの方向が虚軸方向を向いていることを示せ。

(解答)
この複素数のあらわすベクトルは、虚軸方向を向いている。

【問3】
実数座標が1のままで、虚数座標がA点から微小量Δ・(i・t)変化した点(tは実数とする)について、その微小な変化量を
Δ(Z)≡Δ・(i・t)
とあらわすことにする。
そのようにA点から微小量ずれた点を式1で写像される点はC点から微小量ずれる。そのずれた点の複素数座標が複素数wから変化する微小な変化量を
Δ(w)
とあらわすことにする。
その微小量の近似式(微小量の極限では等式になる)を計算せよ。

(解答)



【問4】
Δ(w)のあらわす複素数平面上のベクトルの方向が実軸方向を向いていることを示せ。

(解答)
この複素数のあらわすベクトルは、実軸方向を向いている。

【問5】
写像された複素数Δ(w)の表す複素数平面上のベクトルが複素数Δ(w)の表す複素数平面上のベクトルに対して成す角度は、
写像する前の複素数Δ(Z)の表す複素数平面上のベクトルが複素数Δ(Z)の表す複素数平面上のベクトルに対して成す角度と等しいことを証明せよ。(先の問題の結果から、その成す角度は90度であることがわかっているが、もう少し一般的に使える証明方法で証明して欲しい)

(解答)
複素数同士を割り算して複素数を得れば、その複素数の偏角が複素数のあらわすベクトル同士の成す角度をあらわす。
そのため、複素数同士を割り算する。
写像された複素数Δ(w)を複素数Δ(w)で割り算した結果は、
写像する前の複素数Δ(Z)を複素数Δ(Z)で割り算した結果と等しい。
そのため、
写像された複素数Δ(w)と複素数Δ(w)の成す角度は、
写像する前の複素数Δ(Z)と複素数Δ(Z)の成す角度と等しい。
(証明おわり)

(追加コメント)
(証明方法は省略するが)一般に、複素数平面上で交差する任意の2曲線を式1で写像変換して新しい2曲線を得る場合に、その新しい2曲線が交差する角度は、写像する前の2曲線の成す角度と等しいことも証明できる。ただし、交点がZ=0の場合は除く。

このように、写像によって曲線の交差する角度が変わらない写像は、等角写像と呼ばれている。



(追加コメントその2)
また、(次の証明方法も省略するが)以下のことがいえる。
(条件)
複素数平面上での点をZであらわす。
Zをwに写像変換する以下の式を考える。
w=f(Z) (式4)
ここで、f(Z)はZの有理関数か、有理関数の和に展開できる式とする。
そして、有理関数は微分できるから、f(Z)の微分を考える。
-∞<df(Z)/dZ<∞ (式5)
この微分値が有限値になる点で交差する2曲線(Zで座標を表す)の座標を式4によりwに写像変換するものとする。
(結果)
すると、複素数平面上でwが描く2曲線(wで座標を表す)が交差する角度は、写像する前の2曲線(Zで座標を表す)の成す角度と等しい(等角写像になる)。

(注意)
なお、複素数Z=x+i・yを、w=g(x,y)+i・h(x,y)であらわされる式で写像変換して新しい2曲線を得る場合には、その場合は、等角写像になるとは限らない。
このような変換も、
w=f(Z) (式6)
と表現されるので、注意すること。


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