2015年3月18日水曜日

初めて複素数平面を学ぶ学び方(共役複素数の役割)

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共役複素数

 複素数平面は、高校の検定教科書でも教えて良いことに国の方針が変わり教育禁止令が解除されました。そのため、今後は、複素数平面の知識を隠さないで良くなりました。しかし、この知識は、その説明が分からない人が続出して、先生までも分からなくなる恐れもあるので、しっかり構えて勉強に取り組みましょう。

複素数zに対して、上の図のように共役複素数が定義されています。複素数zの虚数項の正負を逆にしただけのものです。

複素数zとその共役複素数を加え合わせると複素数平面上のあらゆる複素数をあらわすことが出来ます。

(1)複素数の絶対値
 複素数の偏角を打ち消した、複素数の大きさのみを表す複素数の絶対値は以下の式で計算できます

(2)偏角の要素のみを持つ複素数の単位ベクトル
 また、複素数の大きさを打ち消して複素数の大きさ(絶対値)を1にして複素数の偏角のみを表す複素数の式(複素数の単位ベクトル)は以下の式で計算できます。


このように、複素数の単位ベクトルは、複素数zとその共役複素数の比の平方根(それはもはや実数を表すものでは無い)を計算して表せます。
 このような形の、複素数と共役複素数の比の形で表した式は、複素数の計算において重要な役割を果たします。 

 すなわち、複素数αとそれに共役な複素数との比の値(複素数)は、以下の式のように、実数Φの媒介変数で表される、複素数平面の単位円上の点です。

これは、複素数αの単位ベクトルの偏角を−2倍にした単位ベクトルを表します。複素数の式をこの形にして問題を解く事も多いです。

(3)複素数zと共役複素数とのセット(第1のセット)が、複素数zの性質を調べるのに役にたちます。そのセットと同様に、絶対値|z|と複素数の単位ベクトルとのセット(第2のセット)が複素数zの性質を調べるのにとても役にたちます。

複素数平面であらわした複素数はベクトルです。


複素数平面を初めて学ぶ学び方は、
ベクトルを学んだ時に知った数学の技術を、
複素数平面上の複素数を用いても同様に使えるようになるように心がけることです。

(注意)
 ベクトルが問題の記述手段であって、
「どのベクトル系を使って問題を記述するかは解答者の意思に委ねられている」
というベクトルの特徴は、問題の記述の自由度を更に増した複素数平面になると更に著しくなります。
すなわち、複素数平面では、「どの複素数系を使って問題を記述するかが解答者の意思に委ねられる」解答者の裁量の範囲が広がり、例えば、三角形の外心の位置を記述する複素数平面の式(相互に変換できる対等な価値を持つ式)は3~4つあります。
(注意のおわり)

以降で、
ベクトルを学んで知った数学の技術を、複素数平面上の複素数を用いても同様に使えるようにする方向性で、
複素数平面を学んでいきましょう。

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